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贈る言葉~3年3組担任 多久和恵美子先生

201831日(木)、第69回卒業式を挙行し、63名が卒業いたしました。

卒業にあたって、3年生の各クラスの担任の先生から、卒業生のみなさんにメッセージをいただきました。

最後は、3組担任 多久和先生のメッセージを紹介します。

【3年3組 担任 多久和恵美子】

「えっ、もう卒業!?」というのが今の実感です。三年前皆さんと一緒に津和野高校に来て、1階の教室で一緒にツコウ生活を始めました。そして気づいたら3階の3の3教室で、20名のメンバーと津和野の風景を見下ろしつつバタバタ過ごす日々。それももう終わろうとしています。

頼りない担任で、生徒の皆さんにも保護者の皆様にも、心細い思いをさせてばかりでした。しかし、担任が頼りないからこそ、自分の力で将来を切り拓こうと努力する皆さんの姿は頼もしい限りでした。

卒業を控え、新生活の準備に追われる皆さんを見ていると、自分がお世話になった自動車学校の教官を思い出します。

①「運転中はできるだけ遠くを見んと!目の前の車ばかりに気を取られとると、状況判断が遅れるで!」

②「道を譲ってほしけりゃしっかり意思表示しんさい!曖昧な態度がいちばん危険なんよ。」

③「道を譲ってもらったら、そんなにペコペコせんでええけぇ!にっこり笑ってサッと出たほうが相手も動きやすいんよ。」

④「速度違反はもちろんいけんけど、遅過ぎるのも周りを困らせて事故につながることがあるけえね。周りの流れに乗ることを考えんさい。」

今年も生徒が何人かお世話になっている某自動車学校で、約20年前、私が教習車の中でいただいた言葉です。当時の私の運転がご想像いただけると思いますが、今の私にとって、この石見弁あふれる教官の指導は運転以外にもあてはまる格言になっています。

①→広く、長期的な視野を持つべし。目の前の、自分が見ているものがすべてではない。

②→自分がどうしたいのか、覚悟と責任を持って周りに意思表示をすべし。

③・④→礼儀も、時には自己主張も大事。でも、タイミングや相手の都合を考えて動くことも大事。

私にとっては、成人式よりもドライバーとして公道に出た日のほうが、社会の一員になったことを強く自覚させてくれました。車は便利で素晴らしい道具ですが、一歩間違えれば自他の人生を狂わせる凶器にもなります。社会の一員になるとは、その自覚をしっかり持ったうえで、高校生活まででは味わえない喜びや楽しさを知ることではないでしょうか。

3組の皆さん、そして3年生の皆さん、皆さんは車のハンドルを握る前に、自分というかけがえのない存在のドライバーです。ツコウ生活を含め、これまで培ってきたもの、これから出会う人々とのつながりを大切にして、しっかり心のハンドルを握って自分の道を進んでください。

最後に9号線沿いで見かけた言葉を一つ。「運転は 気くばり 目くばり 思いやり」

卒業おめでとう。長い間ありがとう。