ツコウニュース

贈る言葉~3年3組担任 廣田理史先生

2020.03.19

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!

 

卒業にあたって、3年生の各クラスの担任の先生から、卒業生のみなさんにメッセージをいただきましたので掲載します。ぜひご覧ください。

 

 

<3年3組 担任 廣田理史>

 

卒業されるにあたって、担当教科の生物学を通して最後のメッセージを書かせていただきます。

 

近年生物多様性という言葉をよく聞くようになったと思います。もちろん皆さんは何となく聞いたことがあるではなく、十分理解していると信じたいですが・・・まずは復習から入りたいと思います。

 

生物多様性には3つのレベルがあります。①生態系の多様性(例えば、砂漠から熱帯多雨林まで様々な環境があることがこれに該当します)、②種の多様性(これは一番イメージしやすいかと思います。ヒトからゾウリムシまで様々な種類が存在していることが該当します)、③遺伝子の多様性(同じ種であっても遺伝的に異なるからアサリの模様が1つ1つ異なります)ここまでが復習です。すべて答えられましたか?

 

ここからが皆さんへのメッセージになります。この①~③の多様性を私なりに社会に例えてイメージしてみました。

 

①生態系の多様性は、これから皆さんが活躍する様々な場をイメージします。小学校から高校までの合計12年間は、学校現場にある文化・スポーツ活動や各教科の得意不得意で、判断されることが多かったのではないでしょうか。これからあなた方が出ていく社会は、そうではないと思います。様々な形で活躍できる場が増えていくはずです。動画やSNS等で自分の得意なことを発信することでも十分に仕事になったり、近年のキーワードとなっている「地域」もどこにいても活躍できる場があることを示しているように思います。まさに生態系(活躍の場)の多様性です。「自分のやりたい」をとことんできるはずです。自分のやりたいことのある生態系(活躍できる場)を自ら探し出してください。

 

次に②種の多様性です。これについては社会に例えるというより、すべての生物が関わり合って生態系(ここでは皆さんの活躍する場ではなく、リアルな生態系)が成り立っていることについて書かせてください。種それぞれに役割があり、それぞれのはたらきによって生態系は成り立っています。要するにゴキブリにもカメムシにもすべてに役割があるということです。この生態系を構成する生物の種類数が多いほど、その生態系は安定し簡単に崩壊しません。例えば、畑をイメージしてみてください。数種類の野菜しか植えられていないため多様性が乏しくなります。それに伴って繁殖する菌類・細菌類に偏りが出てしまい、作物が病気になりやすくなるそうです。これからの生活の中で人を中心に考えるのではなく、少しでも多くの生物が共存できるようにすることを皆さんに心がけて欲しいと思います。そうすることで、より安定した生態系の中で生活ができるようになるはずです。

 

そして、③遺伝子の多様性です。まさに我々の社会の中の人の多様性をイメージして書きます。遺伝的な多様性が豊かであれば、環境への適応能力が高くなります。この度卒業される皆さんの出身は何と12都府県、進路先も就職から進学までと様々です。まさに多様性豊かな学年でした。学年全体で考えると、どんな場でも活躍できる人が数名はいたように思います。そして何より、この遺伝的な多様性をお互いに認めることができたことが素晴らしかったです。これから様々な人に出会うはずです。その時にその多様性を認め協力し合い、遺伝的に多様な場になるように心がけてみてください。そうすれば、それぞれの得意な面を活かしながら活動でき、その地域や会社は、環境への適応力(社会の変化や災害など様々なことに対しての適応力のイメージ)が高まるはずです。

 

最後に生物多様性から我々は様々な恩恵を受けています。例えば、食べ物や木材、綺麗な空気や水、山登りや温泉などから得られる癒しなどあげればキリがありません。この我々が受けている恩恵を、生態系サービスと言います。生物多様性が豊かであれば、豊かな生態系サービスを受けることができるということです。多様性豊かな津和野高校での3年間は、お互いの存在が豊かなサービスになっていたように思います。それは、お互いを認め合う力を育むこと、他者から様々な考え方や文化の違いなどを学ぶことなど様々です。大きく変化をしていく時代の中において、この多様性を認め合い活用していく力はとても重要な力になるはずです。卒業生の皆さんが、津高での3年間の学びに自信をもち、素晴らしい未来に飛び立っていくことを期待しています。