2月7日(水)6限に、「世界史A」(担当:原克美先生)および「日本史A」(担当:山田勇太先生)において、津和野の郷土史を題材とした公開授業が行われました。
今回の授業は、前後1コマずつも含めた計3コマを用いて、世界史では「乙女峠とキリシタン」というテーマ、日本史では「堀家文書からみる幕末」というテーマでの学習を行いました。
地歴公民科の世界史の原先生、日本史の山田先生にそれぞれ今回の授業への思いを語っていただきました。
○世界史 原先生
今回、2年生世界史Aにおいて『乙女峠とキリシタン~なぜ迫害が起こったのか~』というテーマで公開授業を行いました。生徒も私もまだまだ津和野を知りません。だからこの機会に津和野の歴史をみんなで学ぼうと考え、世界とのつながりを感じるこのテーマを選びました。
乙女峠には多くの殉教者を出した悲しい歴史があります。しかし、キリシタン迫害の現象面だけをとらえるのではなく、「なぜ迫害はおこったのか」「なぜ津和野だったのか」といった背景を深く考えることを意識しました。そうすることで当時の津和野藩の国学、明治新政府のキリシタン禁制の理由、迫害に対する国際社会の抗議、そこにかかわった人々などを多面的に検討でき、日本に「信教の自由」がもたらされる過程を立体的に考察できたと思います。
身近な郷土史を取り上げたことで生徒のみなさんはいつにも増して真剣に授業取り組んでいたように思います。また、今回の授業を行うにあたり、津和野町郷土館の椋木さん、津和野在住の郷土史家の山岡さんにも快く協力していただきました。このつながりを今後もたいせつにしていきたいと思います。山岡さんとつないでくれた魅力化コーディネーターのみなさんも感謝しています!
今回の授業は津和野の歴史の入り口にすぎません。生徒の感想からも「もっと津和野の歴史を知りたい」といった思いが伝わってきました。
私たちは「まだまだ津和野を知らない」わけで、これからも津和野の歴史を深掘りしていこうと思います。
ツコウのみなさん、これから私たちの「津和野学」を一緒につくっていきましょう!
●授業を受けた齋藤綾華さんの感想を紹介します。
「乙女峠とキリシタンについて学んで、自分の住んでいる町のことなのに知らないことのほうが多く、新しい発見と驚きがたくさんありました。これを機に自分が興味のある津和野の歴史を調べてみたいと思いました!」
○日本史 山田先生
今回の研究授業は、2年日本史A選択者を対象に『堀家文書からみる幕末』というテーマで行いました。
「中国の銅山王」と呼ばれていた堀家ですが、鉱山経営だけでなく、武士などに出資を行っていました。それもあってか、多くの文書が堀家に残っています。中央で起こっていた事件でさえも堀家は情報を入手しています。その文書から長州藩の軍制改革、長州戦争における津和野藩の立ち位置、堀家と長州藩の関係などを考察していきました。
前時の授業では、「あの辺りに堀家は住んでいたよ」と地歴教室の窓の外を指差しました。生徒たちの身近なテーマということもあり、難しい内容にも関わらず必死になって問いに向かっていたと思います。
教材研究をするなかで郷土館の椋木先生や、郷土史家の山岡さんには、たいへんお世話になりました。
津和野にはまだまだ郷土資料があります。また、生徒たちと一緒になって学んでいきたいと思っています。
●授業を受けた田中精竜くんの感想を紹介します。
「資料から読みとるといういつもとは違うやり方の授業で、グループのみんなと話し合い、答えを考える作業が楽しかったです。教科書からは離れたことをやっているのに、教科書で出てきた出来事にも繋がっており、歴史のおもしろさを感じることができた楽しい授業でした!」
身近な郷土の歴史を題材としながらの授業で、生徒もそれぞれ関心を深めながら、取り組むことができていました。
ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。