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~贈る言葉~3年3組担任 山根幸久先生

山根先生からのメッセージ

早速ですが想像してみてください。あなたの目の前には表面が凍った湖があります。大きさは津和野高校の敷地くらいです。表面を歩くことができます。あなたは湖の中心まで歩いて行きました。そこで、氷に直径20cm位の穴を開け、そこに針をつけた糸を垂らし、魚釣りをすることにしました。よく釣れるという噂を聞いていたので期待していたのですが、何時間待っても1匹も釣れず、諦めて帰ることにしました。そして、あなたは結論づけました。「この湖に魚はいない」と。
さて、「この湖に魚はいない」という判断は果たして正しいのでしょうか。大きな湖のほんのわずかな部分を調査することで得た結論は、真実を捉えているのでしょうか。例えば湖全体のどの部分に魚がいるかを探知する機械があれば、その機械の表示に従い魚釣りをする場所を変えることで、魚を釣ることができたかもしれません。「湖」という対象の一部分のみを調査して、そこから「魚はいない」という結論を出すことはもったいないことであると思いませんか。様々な角度から分析することで、気付かなかったことに気付く可能性があるのです。
やや抽象的なことを書きますが、科学技術の進歩などによって、私たちは1つの物事を容易に様々な角度から見られるようになってきました。例えば、ドローンによって、簡単に空中からの写真が撮れるようになり、空から見た町の姿などを捉えることが容易になりました。また、価値観が多様化することにより、様々な「ものの見方・考え方」が出来上がっていると思います。そのような多様な視点を基に既存のものを見つめ直すと、新たな発見につながり、それが自分の歩む道を決める足がかりになる可能性もあります。
卒業生の皆さん、多角的視点で多くの物事を捉えてください。そこから見えてきた道を歩み、皆さん1人1人が未来を切り開いてくれることを期待しています。