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令和三年度卒業証書授与式を行いました。

3月1日(火)に令和三年度卒業証書授与式を行いました。

今年度も感染症対策のため、規模を縮小しての開催となりました。

 

 

校長式辞では、生徒会誌『たくご』が復刊された55年前、編集にあたった当時の生徒会が編集後記に込めた「我々は確かな歩みをしなければならない」という思いについて触れられ、本校に揮毫されたさまざまな扁額の言葉の伝えるメッセージとともに、次のようにエールを送られました。

「これらのメッセージは、無駄もミスもない最短距離の一直線の「みち」を歩めと言っているのではありません。将来自分が歩いてきた道を振り返ってみた時、遠回りしていたり、引き返したりして、決して定規で引いたような直線を辿ってはいないことに気づくでしょう。たとえ曲がったり戻ったりしてもいいから、歩みを止めることなく一歩を踏み出してください。」

 

 

在校生送辞では2年生の木原雛子さんが、学校行事での3年生との思い出を語り、自分が津和野高校入学を決意した「ツコウの明るさ」の源は、3年生の笑顔だったと感謝の言葉を述べました。そして、先輩方から学んだ笑顔、明るさ、団結力を自分たちも身につけ、後輩たちの見本となれるよう頑張りたいと決意を伝えました。

 

 

そして、卒業生代表として桐山桜さんが思いのこもった素晴らしい答辞を述べてくれました。

(以下、全文)

 


 

  暖かい陽の光が降り注ぎ、桜の蕾も膨らみはじめ、春の訪れを感じる季節となりました。この良き日に、私たちのためにご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜りこのような盛大な卒業式を挙行していただき、卒業生一同心より感謝します。

  思い返すとこの学校で過ごした3年間はあっという間でした。3年前の春、私たちは、不安と期待に胸を膨らませ、津和野高校に入学しました。新しい制服、新しい校舎、初めて会うクラスメイト、すべてが新鮮で新しい毎日でした。津和野高校で過ごした3年間で心に残る行事はたくさんありました。その中でも、2年生、3年生の津高祭は特に印象に残っています。

  2年生の春。世界中で猛威を振るうコロナウイルスが、私たちの学校生活から「当たり前」を次々と奪っていきました。コロナ禍で行われた文化祭では、クラス合唱ができなくなり、代わりに各クラスで出し物をすることになりました。私のクラスは、みんなで手形アートを作りました。積極的に意見を出し合い、一つの作品をみんなで一緒に作る事を目標に準備するうちに、クラスが一致団結していたことが感じられ、私はとても嬉しかったことを覚えています。2年生の文化祭では、クラス出し物だけではなく、多くの人が委員会や部活動をまとめる立場として、後輩を指導しながら展示や発表の準備もしました。たくさんの責任や協調性が求められ、大変でしたが、自分から行動することの大切さを学ぶことができました。

  高校生活を締めくくる3年生。新型コロナウイルスの流行は続いていましたが、体育祭では例年通り赤、黄、青の3色が競い合う応援合戦をすることができました。限られた時間と放課後という短い時間の中でしたが、ダンスの構成を練ったり後輩にダンスを教えたりして応援合戦を作り上げ、どの組も本番では最高の演技をすることができました。時間を掛けて完成していくデコレーションのもとで、学年を越えて組全体が一体となったあの瞬間は、とても素晴らしい思い出になりました。学年を超えて組全体が一つになったあの瞬間は、とても素晴らしい思い出になりました。

 他にも、振り返ると私の高校生活は生徒会、マイプロジェクトなど「挑戦」の連続だったと思います。私は、中学校までやったことがなかった生徒会活動に挑戦することに決めました。それは、津和野高校をよりよく過ごせる学校に変えたいと思ったからです。

  こんな私が生徒会長に立候補しようと思った時、背中を押してくれた人たちが居たからこそ、私は今ここに立っています。生徒会長になってからの経験は、良い経験ばかりではなく、話し合いの中でたくさんの意見が入り交じって衝突したことや、考えがまとまらず苦労したこともありました。ですが、一つ一つの仕事が終わるたびに、生徒会のメンバーとうまく行かなかった反省点や自分1人では味わえない大きな達成感を共有することができました。

  そんな生徒会活動やマイプロジェクト、校外でのイベントを開催したことは、私の高校生活での醍醐味でした。その両方で、様々な人と出会い、関わる中で自分の考えを人に伝えることの大切さを学ぶことができました。「挑戦したい」と思った時、思い切ってチャレンジすることができたのは、私が3年間で成長できた部分だと言えます。

  だからこそ、在校生の皆さんには、「勇気は一瞬、

後悔は一生。」という言葉を贈りたいと思います。この言葉は、勇気を出して挑戦しなかったために後悔するという意味です。色々考え、勇気を持って判断すればたとえ上手くいかなくても後悔することもないと私は考えます。高校で過ごす3年間は私たちにとって長い人生のほんの一部分に過ぎません。ほんの一部分だからこそ、挑戦すると思ったらためらわず、堂々と挑戦してみてください。その勇気がきっと自分の知らない自分に出会えるための種になると思います。そして、毎日の一瞬一瞬を大切にしてください。あなたにとってはなんでもない瞬間が、誰かにとっては大きな人生の1ページになるかもしれません。限られた時間で、たくさん笑って、喧嘩して、素晴らしい思い出と共に時を刻んでください。

   次に、この3年間を共に過ごした友達へ、本気でぶつかり喧嘩しては仲直りの繰り返しの中で、私は自分の気持ちを言葉にすることの大切さを学びました。津和野高校で過ごした何気ない毎日は私にとってかけがえのない宝物です。幾度となく交わした言葉。朝、学校に来た時「おはよう」って言ってくれる友達。帰る時「バイバイ」って手を振ってくれる友達。辛い時にそっと隣にいてくれる友達。悲しい時に一緒に泣いてくれる友達。一緒に笑いあった友達。こうした友達が居たからこの3年間を乗り越えられてきたと思います。廊下中に響き渡る笑い声。足音。話し声。一生忘れられない思い出を一緒に作ってくれてありがとう。

  最後になりましたが、共に喜びあい、時に厳しく指導してくださった先生方、職員の方々、温かく見守ってくださった地域の皆様の支えのお陰で3年間過ごせました。本当にありがとうございました。そしてこれまで育ててくれたお父さん、お母さん。どんなことも一番に応援してくれたお父さん。毎日、朝、早く起きてお弁当を作り、送り迎えをしてくれたお母さん。思春期だった私たちは、言葉一つ一つ素直に受け入れることは難しく、ぶつかることもありました。いつもは、恥ずかしくて直接は言えませんが、いつも本当にありがとう。感謝しきれないほど感謝でいっぱいです。少しずつ自立をしていくので、これからもよろしくお願いします。

  これからの私たち一人ひとりが目指す道は別々です。その道には困難があると思います。しかし、皆さんとこの津和野高校で過ごした日々や学びを胸に抱き、力強く生きていきます。本当にありがとうございました。津和野高校のますますのご発展を心より祈念し、答辞といたします。

令和4年3月1日 卒業生代表 桐山 桜

 


 

めまぐるしく状況が変わり続ける毎日に世界中が翻弄される中、無事にこの日を迎えられたことを教職員一同とても嬉しく思っています。

津和野高校での経験と思い出を胸に、自立への歩みを、夢への一歩を踏み出してください。卒業生のみなさんのご多幸をお祈りしています。

(文責:山田)